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秋はお口が乾きやすい?「口の乾燥」と口臭の関係

季節の変わり目、なんだか口が乾く…

秋になると、「のどがイガイガする」「朝起きると口の中がネバつく」と感じる方が増えます。
気温が下がり、空気が乾燥してくるこの時期、実は“お口の乾き=ドライマウス”の症状が悪化しやすい季節なのです。

そして、この口の乾燥が続くと、口臭・むし歯・歯周病の原因にもつながることをご存じでしょうか?
今回は、秋に起こりやすい「お口の乾燥」と「口臭」の関係、そして今日からできる対策を歯科医の視点で解説します。

なぜ秋はお口が乾きやすいの?

① 空気の乾燥

秋から冬にかけて、湿度は一気に下がります。
お口の中も空気にさらされやすくなり、唾液が蒸発して乾燥しやすくなります。

さらに暖房の使用が始まると、室内の湿度が40%以下に下がることも。
これにより、唾液の分泌量が減少し、口の中がネバつきやすくなります。

② 水分摂取量の減少

夏に比べて「のどの渇き」を感じにくい秋は、水分を摂る量が自然と減ります。
しかし体は常に水分を必要としており、脱水傾向になると唾液も出にくくなります。

唾液は1日あたり約1〜1.5L分泌されますが、体内の水分が不足すると、その量が半分以下になることもあります。

③ 自律神経の乱れ

季節の変わり目は、気温や気圧の変化で自律神経が乱れがち。
唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経(副交感神経)なので、バランスが崩れると唾液が出にくくなるのです。

ストレス・疲労・睡眠不足も、ドライマウスの大きな要因です。

唾液が減ると、なぜ口臭が強くなるの?

唾液には、**お口の中を洗い流し、菌の繁殖を抑える“天然の抗菌作用”**があります。
しかし、乾燥で唾液が減るとその働きが弱まり、以下のような悪循環が起こります。

  1. 唾液が減る
  2. 細菌が繁殖
  3. 細菌がたんぱく質を分解して“揮発性硫黄化合物”を発生
  4. 不快な口臭に

さらに、口呼吸や夜間のいびきも乾燥を悪化させるため、寝起きの口臭が強くなる原因にもなります。

乾燥から守るためのセルフケア5選

① 水分をこまめにとる

「喉が渇いた」と感じる前に、少しずつ水を飲むのがポイント。
カフェインやアルコールは利尿作用で体の水分を奪うため、白湯や常温の水がおすすめです。

② 唾液腺マッサージで分泌促進

唾液は“耳下腺・顎下腺・舌下腺”から分泌されています。
軽くマッサージするだけで、唾液の流れが良くなります。

耳下腺マッサージの方法
耳たぶの下にある少し硬い部分を、指でゆっくり円を描くように10回ほどマッサージ。

③ 口呼吸を防ぐ

口呼吸はお口の乾燥を悪化させる大きな原因。
日中は意識して鼻呼吸を心がけ、睡眠時の口開きを防ぐために口テープの利用も有効です。

④ 唾液を増やす食べ方

  • よく噛んで食べる(噛む刺激で唾液腺が活性化)
  • 酸味のある食品(レモン・梅干しなど)を少量摂る
  • ガムやキシリトールタブレットを噛む

噛む回数を増やすだけでも、唾液量が自然に増加します。

⑤ お口の保湿ケアを取り入れる

市販のドライマウス用ジェル・スプレー・マウスウォッシュを活用するのもおすすめです。
特に夜間の乾燥が気になる方は、就寝前の保湿ケアが効果的です。

歯科医院でできる「乾燥予防ケア」

● プロのクリーニング

歯石やプラークを除去して、細菌の温床を減らします。
清潔な口内環境は、唾液の働きを助けます。

● 舌苔(ぜったい)クリーニング

舌の表面の白い汚れ(舌苔)は、乾燥によって厚くなりやすく、口臭の原因になります。
専用ブラシで優しく除去することで、息の清涼感もアップ。

● ドライマウスの診断と治療

薬の副作用や全身疾患(糖尿病・シェーグレン症候群など)が関係するケースでは、
医科との連携や唾液分泌を促す治療が必要になることもあります。

乾燥を放っておくと起こるトラブル

  • むし歯・歯周病のリスク増加
  • 口臭の悪化
  • 舌のひび割れや痛み
  • 食事や会話のしづらさ

「たかが乾燥」と侮らず、早めの対策が将来の歯の健康を守ります。

まとめ:秋の乾燥対策は“お口から”

秋は空気の乾燥、生活リズムの変化、免疫低下など、ドライマウスになりやすい条件がそろっています。
こまめな水分補給と保湿ケア、そして定期的な歯科チェックで、口臭や歯ぐきトラブルを未然に防ぎましょう。