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食欲の秋に注意!甘いものとむし歯の関係
甘い誘惑が増える秋。実は“むし歯シーズン”かも?
秋といえば、「食欲の秋」。
モンブランやスイートポテト、かぼちゃプリンなど、秋のスイーツが並ぶ季節ですね。
しかし、甘いものを楽しむ機会が増えるこの時期、知らず知らずのうちにむし歯リスクが上がっていることをご存じでしょうか?
今回は、秋に気をつけたい「糖分とむし歯の関係」について、歯科医の視点から解説します。
むし歯の仕組み:砂糖が“悪い”のではなく、“使われ方”が問題
むし歯の原因は「糖」そのものではありません。
正確には、糖をエサにして**酸を作るむし歯菌(ミュータンス菌)**の存在がポイントです。
- 食べ物や飲み物の糖分が口の中に残る
- むし歯菌が糖を分解して酸を作る
- 酸によって歯の表面(エナメル質)が溶ける(脱灰)
- 唾液が酸を中和して修復(再石灰化)
- このバランスが崩れると、むし歯が進行
つまり、甘いものを食べる回数や時間の長さがむし歯の大きなリスクになります。
秋のスイーツがむし歯を招きやすい理由
① “長く口に残る”糖分が多い
キャラメル、タルト、モンブランなどは粘度が高く、歯の表面に張りつきやすいお菓子。
長時間にわたって糖が口の中に滞在し、むし歯菌の活動が活発になります。
② 「間食の回数」が増える
秋は新作スイーツや限定商品が豊富で、つい「少しずつ何回も食べる」ことが増えます。
しかし、食べるたびに口の中は酸性に傾くため、回数が増えるほど再石灰化が追いつかなくなります。
③ 甘い飲み物もむし歯の原因に
カフェラテ、パンプキンラテ、抹茶フラペチーノなど、秋限定の甘いドリンクも要注意。
液体の糖は歯全体に広がるため、歯のすき間や裏側にも糖が残りやすくなります。
甘いものと上手に付き合う3つのポイント
① 「食べる時間」をまとめる
ダラダラと食べ続けるより、食後のデザートとして一度に楽しむ方が歯には優しいです。
食後は唾液が多く出て酸を中和しやすいため、むし歯のリスクが下がります。
② 食べた後は“うがい or 水”を
外出中に歯みがきが難しいときは、水やお茶で軽く口をゆすぐだけでも効果的です。
糖分や酸を洗い流すことで、むし歯菌の活動を抑えられます。
③ 間食の回数を1日1〜2回に
おやつの回数が多いほど、口の中が酸性の時間が増えます。
時間を決めて「食べる」「食べない」をはっきりさせるのがポイントです。
“砂糖ゼロ”でも油断できない!?
最近は「砂糖不使用」「低糖質スイーツ」などが人気ですが、人工甘味料や果糖にも注意が必要です。
果汁やドライフルーツなどにも糖分は多く、むし歯菌のエサになります。
また、酸性度の高い食品(柑橘系、酢など)もエナメル質を溶かす原因に。
「甘くなくても歯に優しい」とは限らないのです。
唾液の力を味方に!
唾液は、お口の中の“天然の薬”。
酸を中和し、溶けかけたエナメル質を修復する働きがあります。
秋は空気の乾燥で唾液量が減るため、ドライマウス対策もむし歯予防には欠かせません。
- 水分をこまめに摂る
- よく噛んで食べる
- 唾液腺マッサージを行う
この3つを意識するだけでも、お口の環境は大きく変わります。
歯科医院でできる“むし歯予防ケア”
● 定期的なクリーニング
歯ブラシでは落としきれないプラーク(細菌の膜)や歯石を除去。
歯の表面をツルツルにして、糖や汚れの再付着を防ぎます。
● フッ素塗布
フッ素には再石灰化を促進し、酸に強い歯質を作る効果があります。
スイーツが好きな方や、むし歯になりやすい方におすすめです。
● 食生活カウンセリング
むし歯のリスクは「何を食べたか」だけでなく、「いつ・どのように食べたか」によっても変わります。
ドルミーレデンタルオフィス表参道では、生活習慣に合わせた食事指導も行っています。
まとめ:食欲の秋こそ、“歯の健康”を意識して
秋はおいしいものがたくさんある季節。
甘いものを我慢するのではなく、「正しい食べ方」「ケアの習慣」で、歯と上手に付き合いましょう。
- ダラダラ食べを避ける
- 水分をこまめに摂る
- 定期的に歯科でメンテナンスを受ける
これだけで、むし歯リスクを大きく減らせます。